自ら心押して走れ

走ろうと思ってスタイルを整え家を出るのに、意志の強さを試される季節になった。
走りだしてしまえば、冷たい風も心地よく、ときにはカラダが軽く感じて予定にはなかった坂道ダッシュなんてしてしまったりするのだけれど。
それでも、床暖房の部屋から、一歩外へ踏み出すことは、10km走るよりエネルギーを使う。


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まだまだ先のことだけど、3月上旬に大井ふ頭で行われる10kmのレースに会社の陸上部(と勝手によんでいる)のメンバー5人でエントリー。
他人と競争することには興味がないと言いつつも、レース出場はトレーニングのモチベーションになるのは確か。


今年のこの大会は、直前のビーチフットボールの練習で腰を痛め欠場。
当日は酷寒の雨天。
こんな日に外で走るなんてよほどの物好きだぜ、うっしっしと思っていたら、私のいないスキに10歳下の直属の部下が、なんと私の自己ベストを上回るタイムを叩きだす。


頭にきたので、ボーナスの査定は厳しくしておいたが、それでは腹の虫がおさまらないので、今度のレースでは汚い手を使ってでも勝ちたい。


というか、むしろ汚い手を使って勝って、世の中の厳しさを教えたい。


あぁ、何て面倒見のいい上司なんだろう・・・


(※)文中に人事考課に私情をはさんだかのような誤解を招く表現がありますが、もちろんこの部分はフィクションです。