ラグビー人生に全く悔いはない

もう10年以上前、クラブチームの試合後、居酒屋にて。
相手ゴールまであと10m、完全な2対1の状況で相手を引き付けてパスできれば100%トライの場面。でもそのディフェンスに来てるのが元木だったらどうする?という議論になった。
酔ってるし、そもそも100%有り得ない話なんだから、「元木にタックルされてもギリギリまで引き付けてパスする」っていうヤツが1人くらいいてもよさそうなのに、その場にいた全員が「多分、パント上げちゃうと思う」ということで意見の一致をみた。


ラグビー人生に全く悔いはない。楽しいことばかりだった」
とさわやかな笑顔で答え、神戸製鋼の元木が引退。


ミレニアムスタジアムのウェールズ戦で、タックルした相手からボールを奪い取って大畑のトライに結びつけたプレーや、アジアバーバリアンズの一員としてジャパンと対戦した時の伝統工芸のようなパス。もうあんなプレーが二度と見られないかと思うとかなり寂しい。


これからは若手の育成に力を注ぐとのこと。元木二世、育ててほしいな。東福岡の布巻くんとかに、いろんなモノ注入してもらって。


引退の理由は、「若手に手本を示すことが出来なくなったから」。
引き際の美学なんて言ったら軽々しい。
こんな台詞も、この人が言うと、ずいぶんと、重い。
まるで、彼のタックルのように。