3枚のカード

ある事情があって、オランダ戦のTV観戦が叶わず、「日本の、W杯史上、最も感動的な敗戦」を見逃す。
TOKYO-FM の実況中継。解説はアトランタ五輪のキャプテン前園真聖と、「28年目のハーフタイム」の金子達仁
気分は、すっかりマイアミモードだったが・・・


ビハインドを背負ってから、溜まりきった乳酸に打ち勝とうとする選手の意志。
予選通過のために無難に1点差で終わらす手もあるなか、本気で追い付きに行く意志。
岡田監督の「すべての責任は私がとる」的な交代カードの切り方。
これって、すべてが、いまの日本人が忘れかけているもの。


あの失点、川島はとれたんじゃないかとか、
選手交代が失敗だったとか、
言いたい人には言わせておけばよい。
そんな事を言ってる人は、きっと、海外の試合はよく見てるけど、
奪われたボールを必死に追ってスライディングで取り返した経験なんてない人だろうから。


流れを変えるべく、交代で入った選手のとまどう様子が切ない。
ピッチのなかとベンチに温度差があるとは思えない。
疲れ切った味方を何とか助けようとするのだが、どことなく空回り。
12枚のなかから選ばれた3枚の交代カード、使われた側は責任の重さは想像もつかない。


マイアミのゲームで後半に投入され、何も出来なかったと語った松原良香の眼には、途方に暮れる中村俊の姿はどう映ったのだろうか。
会う機会があったら(絶対ないけど)聞いてみたい。