誤審

イングランド対ドイツで世紀の誤審。
お祭り気分で、両国のマスコミが大騒ぎ。
メルケル首相がキャメロン首相にあやまったとか、44年前の仕返しとか・・・


試合後のイングランドの選手の態度は立派。
審判団に握手を求める姿は、スポーツマンシップか、母国の誇りか。
もっとも、あの試合内容では、クレームつける気にもならないかも。


サッカーはどうか知らないが、起源は同じだから、似たような経緯をたどっているはず。
ラグビーの試合では、最初レフリーはいなかった。微妙なプレーが起きた場合、キャプテン同士の話し合いで判定をしていた。それでは、いちいちプレーが止まってしまうので、第三者に判定を「お願い」するようになった。
だから、レフリーの判定に文句をつけるなんてもってのほか、という文化があったはず。


最近、勝利至上主義のもと「レフリーは絶対」という文化が死滅しそうになっている。


最近のフットボーラー(ア式もラ式も)は、寛容さが足りないんじゃないか。
プロ化がすすみ、生活がかかっているのに誤審なんてされたら死活問題だ、という気持ちもわからなくはない。
でも、きついトレーニングを積んで最高の舞台に立っている選手なんだから、子供たちのあこがれなんだから、判定に文句をつける姿は美しくない。


誤審報道の大騒ぎで、つい先ごろ、メジャーリーグで、あと1人で完全試合というところで、誤審によって大記録達成を阻まれた選手を思い出す。
試合翌日、世間の非難を浴び、泣きながら謝る審判に「完全な人間なんていません」と言って肩を抱き、握手を求めたタイガースのガララーガ。


ズルや自分勝手が我が物顔で横行する、今の世の中。
スポーツの世界だけは、そうあってほしくない。