挑戦者たち

関東大会神奈川県予選準決勝。
果敢な挑戦者の頑張りでアツかった保土ヶ谷

第1試合は、あの桐蔭学園に公立で唯一ベスト4に残った県横須賀が挑む。


個人的な思い出を語らせてもらうと、30数年前、高校でラグビーを始めて最初の公式戦の相手が県横須賀。当時は、赤と黄色の段柄ジャージだったと記憶している。いまの黒をベースにしたデザインのほうが明らかに強そうだが、寂しさも少し。父兄の方たちが持っている応援用の旗が赤字に黄色で、ちょっとほっとする。


試合前、同級生らしき美少女に「OOク〜ン」と声をかけられ、手を振る第1列の選手のだらしない笑顔に、大丈夫かこの子ら?と思ったが・・・


ファーストスクラムで横須賀が桐蔭をめくり上げる。
その後、PGで横須賀が先制。
ざわつくスタンド。
桐蔭もだまっているはずはなく、チャンスに確実に取り切る。
前半を終わって桐蔭が19−10とリード。


後半じわじわと点差こそ開くが、横須賀はDFでは文字通り「刺さり」続け、立ったままプレーすることに長けたFWが桐蔭に圧力をかける。
最終スコアは、31−17。
キックオフのバリエーション、スクラムからのオプション。横須賀は1つ1つのプレーがとてもよく考えられている。
終了間際に返したトライには、ちょっと感動してしまった。


けして入るのが簡単ではない進学校でありながら、あれだけの選手を揃え、育てる指導者の方たちの手腕は見事。
FBの子は、東福岡の藤田クンの匂いがした。今後が楽しみ。


称賛すべきは、桐蔭のピンチとチャンスを15人が嗅ぎわける能力と「仕留め力」の高さ。
エリアでも、ポゼッションでも圧倒しているわけではないのに、試合がひっくり返る気配は一切しなかった。


試合終了後、5年後にはフジテレビのアナウンサーになってそうな横須賀高校の美少女軍団が「すごく、カッコよかった〜」と感激していた。
日本ラグビーの未来は明るい。

第2試合は慶應義塾と日大。
新人戦では慶應が完勝。


30数年前の話をもう一度させてもらうと、高校でラグビーを始めたその年の神奈川県代表が、後にジャパンにも選出される大貫さん(日体大サントリー)を擁した日大。その年にあった母校の創部30年記念試合の相手が、その日大。


黒黄とピンクのジャージがグラウンドに出てくれば、リーグ戦の血が流れている者としては、ピンクに肩入れしてしまうのは仕方ないところ。


でも、そんなことは抜きにして、日大の「大外で取り切る」ラグビーの美しさに感動。
今年、日大の試合を見るのは初めてなので、想像でしかないがベストのゲームをしたんじゃないかと思う。
日大にボールが出るたびにワクワクした。
あんなにいいラグビーをしたのに、それでも1トライ届かなかいというのは、切ないなぁ。
秋にまた見てみたいチーム。

あまりふれてないけど、桐蔭と慶應はもちろん完成度の高いラグビーをしていた。
来週の決勝と3位決定戦もきっとアツい。