無償の放熱

11/26に書いた「27億円あったら」を読み返すと、政府の予算がないと、そのスポーツは強くならない、と結論づけているように読めるが・・・。
そんなことはない。そりゃ、ないよりあったほうがいんだろうけど。
藤島大「熱狂のアルカディア」(文芸春秋)を読んだ。
列島各地の熱い指導者たちの無償の放熱が伝わってくる。
チームを強くするのは指導者の情熱と選手の努力。
「大会前になると自分の顔を鏡で見る。円形脱毛症になってると嬉しくなる。お。そこまでやってるなと。」
こんなことを言う指導者が無名の若者を鍛え上げ、大舞台へと連れていく。
「人生ではチャンスも平等だが、ピンチも平等にやってくる。その時、夢が小さいと飲みこまれてしまう。」
政治とは無関係のところで、日々生徒の指導に情熱を注ぐ公立高校の先生の言葉。
そのへんの内容の薄いビジネス書の耳障りのいい文句より、沁みる。