一緒に見上げた空

録画してあった金曜夜のフジテレビ「熱血教師SP・居場所をください」を見る。
武蔵野東技能高等専修学校の天宮先生が、家庭内暴力で手がつけられなかった子をラグビー部に入部させ、立ち直らせていくさまが描かれている。花園ラグビー場のバックスタンドで、自らの挫折を打ち明ける場面に号泣。まんまと制作者の意図にハマる。
それにしても、いまの教師って絶対手を上げないんだね。ふた昔前は、先生に逆らって机ひっくり返したりしたら、ボコボコにされたよね。
それに生徒だけじゃなくて、親の面倒まで見なきゃいけないし、大変な仕事だ。


書籍ネタが続くが、この番組取材のきっかけとなったと思われる本、"一緒に見上げた空「自閉症児×元不登校児」武蔵野東ラグビー部の軌跡"(大元よしき 扶桑社)もオススメの一冊。
武蔵野東技能高等専修学校は、全校生徒の内3分の1が自閉症児、3分の1が小中学校時代に不登校の経験があり、3分の1は学習面などで何らかの問題や悩みを抱えた生徒という学校。「混合教育」といういろんな背景を持つ健常児と自閉症児が共に学ぶ独自の教育体制を採っている。
武蔵野東に入学するまでに、いじめにあったり、不登校だったりして心に傷を負う子どもたちが、教員たちの無償の愛情によって、たくましくなってゆくさまが熱く描かれている。もともとラグビーに興味があったわけではない子どもが、武蔵野東のラグビー部に入部して、誰かの役にたっている実感を得て、人として強くなっていく。思春期にどんな出会いがあるかがいかに大切か、身につまされる。


ラグビーには、こんなパワーがあったのか!」という上田昭夫サンのコピーそのままの本です。