花園は遠く・・・

花園ラグビー場は、ずいぶん遠いところにある。



高校ラグビーの全国大会の県予選が始まる。
今年、神奈川県からは花園に2校出場できる。
当然、強豪校のモチベーションは高い。
特に桐蔭学園のいない第一地区は。


部員が15人揃わない母校は、春の大会で3回戦まで勝ち進んだ時と同じ編成の合同チームで挑む。
大会直前、各校の学校行事の関係で、唯一集まれる週末の練習も儘ならなかったようだが・・・


初戦相手は、シードではないものの花園出場経験もある強豪私学。
相手チームの試合前の円陣からは、
「絶対、花園行くぞ」
というフレーズが聞こえてくる。
大学と同じデザインのファーストジャージを着ていないあたり、この試合よりも先の試合にフォーカスしている感がある。



キックオフを確保し、パントで敵陣へ。
ラインアウトから、無慈悲なモールとミスマッチを作ったうえでのワイドな展開。
同じシーンが何度も繰り返される。
最後まで手を抜かず、自分たちのスタイルを貫徹する相手に対し、個々のファイトが、なかなか結果を伴わないあせりから、アタックで無理な選択をしてしまう悪循環。



112−0。


少人数でモチベーションを保ち、ここまできた彼らには厳しい現実かもしれない。


当然のように、同じチームのメンバーと母校のジャージを着て、ゲームをしていたぼくらには、悔し涙にくれる彼らの気持ちは到底理解できないのかもしれないけど。





CTBで出場した母校の後輩は2年生。
数週間前、県立公園でランニングをしているとき、偶然に彼を見かけた。
ロードワークでも律儀にストッキングをキチンと上げて走っている姿には、言い知れぬ緊張感が漂っていた。
今日の試合では、ボールを持って疾走する機会はあまりなかったけど、砂埃のなか、最後まで刺さり続けた彼は、きっとここからまた立ちあがってくれるだろう。



いつも思うのだが、少ない人数で部を支えている現役部員と顧問の先生の情熱には、本当に頭が下がる。