1回戦の風景

昨日の県予選1回戦の会場で、母校大敗のあとに行われた試合を、顧問の先生が笛を吹くというので、少しだけ観ていくことに。


ようやく3学年で人数を揃えたと思われる県立校同士の対戦。
応援の熱さと選手の気持ちの強さに技術がついていってない感はあったが、終盤までゲームがもつれ、ついつい最後まで観てしまう。


10−7でリードされたチームが残り3分で1T1Gを追加し逆転。
グラウンドの両サイドから、選手の母親と思われる一団の大声援が。
女子たちの声は幾つになっても黄色い。
逆転したチームの女子マネが時間を表示した手作りのボードを掲げ「あと2分です」と絶叫する。
が、残り1分で4点ビハインドのチームがトライを返し再逆転。15−14。


直後のキックオフからの長い攻防でついに負けているチームがペナルティ。
反対側のタッチライン際から逆転したチームの監督が絶叫する。
「タッチ出せ、タッチ、真横でいいから、タッチ、タッチ出せ、真横で、真横でいいから」
最後は声が裏返っていた。
ほんとうに申し訳ないけど、その真剣さに笑ってしまった。
試合中、何が起きても自分のチームを褒め続けたあの先生は、心の底から教え子たちを勝たせたかったのだろう。
幸せな生徒たちだ。


負けたほうのチームの下級生が「3年生と、3年生と」と泣きじゃくっていた。
たぶん、もっと一緒に試合したかった、って言いたかったんだろうな。
このチームのメンバーも幸せ者だなぁ。


お世辞にも、レベルの高い試合とは言えないけど、フィールドで戦っていた選手には一生忘れられない試合になったと思う。
何年か経って「あそこで、お前がさぁ」とか言うんだよ。きっと。



30年以上関わってて、いまさら言うのも何だけど、
高校生のラグビーは、ハマる。