私たちの時代

フジTV系列で放送された「私たちの時代」を見る。
1年の最後に、珠玉のプログラム。
この国のテレビ局は、こういう番組をもっと世に送り出すべき。


2007年3月25日「能登半島地震震度6強。石川県・門前町を直撃。押しつぶされた家々。言葉を失った町の人々…。日本で最も過疎化と高齢化の進んでいる町が、声をあげて泣いた。その落胆と絶望の町の中を、胸を張って駆け抜けていく少女たちがいる。町にある唯一の高校、石川県立門前高校「女子ソフトボール部」の若者たち。地震で被災してから、わずか2週間後…まだ傷跡が深く残る高校のグランドに彼女たちは立った。練習再開。悲嘆にくれる町中に、突然、女子高校生たちの明るい掛け声が響き渡った。それが、再生と復興の物語の始まりだった。
道しるべなき時代。自殺する人が、12年連続で、年間、3万人を超えている。先進国の中でも、突出した自殺率。混迷を続ける日本。膝を抱え、立ちすくんでいる全国の人々…。今年2010年。世界中が大きく揺れ、日本が「挫折」した年だった。人々の心の奥底に、溢れるほどの涙がにじんでいる。これから私たちは、どこへ向かえばいいのか…。何を信じて、進んでいけばいいのか……。“失われた20年”を経て、この時代を生きている日本の若者たちが、今、声を潜めて泣き崩れている。未来へ向かうための“明日への希望”を、この番組に託したい。ささやかな、テレビの使命として。
(番組HPより)


元々、地方の高校生を追ったドキュメントには、滅法弱いのだけれど、喉の渇きを覚えるほどの涙を流す羽目に。
能登半島の美しい風景と、原由子のメロディーが切ない。


番組のラスト、インターハイ石川県予選の決勝は、ソフトボールでなくとも、スポーツに打ち込んだ経験のある人は、心動かされるだろう。


1年生にレギュラーの座を譲った3年性が一人で砂浜を走るシーン。
相手チームの孤高のエースが、味方がエラーをしても、常に笑顔でマウンドに立ち続けるシーン。
窮地に追い込まれた状況でバッターボックスに向かう選手にベンチにいる全員が祈るシーン。
控えに甘んじていた3年生のサヨナラヒットのシーン。


試合を回想するマネージャーのコメントもまた珠玉


「全力で戦ったからこそ流すことの出来る涙がある。
 全力で戦ったあとに始めて見えてくる情景がある。
 あの時、戦っていたのは、ほんとうは相手チームではなかった。
 みんな懸命に自分と闘っていたような気がする。
 勝ったから嬉しいということではなく。
 負けたから哀しいということではなく。
 今だからわかる、
 先生たちが、私たちに全力で伝えようとしてくれていた事の意味が。」



1年の最後に、
能登の高校生から、
忘れかけていた大事な事を教わったような気がする。



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ご訪問下さった皆様、
拙い文章にお付き合いいただき有難うございました。


来年も、こんな感じですが、よろしくお願いします。
それでは、よいお年を!